奥様愛の劇場〜再放送〜





第一回放送 視聴率0.00002パーセント

「ピンポーン」
「はぁーい、今行きまーす」
ガチャ。「奥さん、私こういうものですが・・・」
「なにもお話することはありませんっていったでしょ、帰ってください」
主婦がドアを閉めようとすると、すかさず刑事が足をドアの間に挟む。
「な、なにするんですか!?」
「奥さん、ネタは上がってるんですよ!」
「な、なんの事れしゅか!?」
「あんたが旦那を殺そうとしたことにきまってるだろ!!」
「な、・・・・」
「もう言い逃れはできへんでぇ!!」
「・・・・わたしは、・・私は悪くないわ!!そうよ!あの人が全部わるいのよ!!わたし見たのよ!あの人の絵日記を。
そしたらあのひと、会社のユミって人と浮気してたのよ!それにあの人はファミレスであの紙を全部持って帰るようなせこい人なのよ!そうよ、私はわるくないわ!!」
「・・・奥さん、実は旦那さんが意識を取り戻しましてね。全部語ってくれましたよ。あの絵日記は旦那さんのただの願望日記で事実ではありませんでした・・・。
それに旦那さん、あなたのために毎月郵貯してたんですよ!!
それに・・・・奥さん・・・・フランスパンで人は撲殺できませんよ・・・。そして田んぼに埋めるなんてすぐみつかりますよ」
「そ、そんな・・・・・あ、あなたぁぁぁぁ!!!!」
パトカーに乗り込む主婦。それを見送る刑事。
これはわたしの担当した事件のなかで一番悲しい事件のひとつとなった。この事件は、ほんの些細なすれ違いと悪趣味とが引き起こした事件と言っていいだろう・・・

エンディングテーマ  「マドンナたちのララバイ」



第二回放送 視聴率0パーセント

「ただいまぁ〜」
「おかえりなさぁ〜い!・・・あなた、ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・わ・た・し?」
「あ、ごめん全部外で済ませてきた。」



第三回放送 視聴率2パーセント

「はぁ〜い!!良いこのみんなー!!あつまれー!!」
「わぁー!!」
「はいっ!!今日はおねーさんと日本語のお勉強をしましょうねー!!」
「はーい!!おねーさーん!!」
「はい!のぶくんなーに??」
「あのね、ぼくね、塾行ってるからお勉強は得意なんだ!!」
「っせーよ!クソガキが!!いきがんな!!
勉強が出来るのがそんなにえれーのかよ!!
てめーみたいなガキは外で缶けりでもしてろ!!」
「・・・・・・」
「はい!気を取り直してお勉強しましょうねー!」
「・・・・は、はーい。」
「はい!まずは・・”おとしまえ”でーっす」
「おねーさん、おとしまえってなーに??」
「じゃあわかんない良い子のみんなのために
落とし前をつける瞬間のビデオをみせちゃいまーっす!」
「わーい!!」
「スイッチオン!!」


ここは○○組の事務所
「おいっ!サブっ!!この落とし前どうつけてくれんだよ!!」
「・・・・・これで!!」
ザシュ!!
・・・・・・・小指コロコロ


「ぎゃああああああああ!!」
「はい!子供達泣かないでー!!」
「お家帰りたいよー!!」
「次はたのしいビデオだからね、泣かないで」
「ほんと?」
「ほんとだよ!」
「じゃあ、みるぅー!」
「じゃあ、スイッチオン!!」


・・・・・・・・
・・・・・・・・


「おねーさん、このひと達なにしてんのー??」
「こ、これは健二おにーさんのいやらしいビデオでした!
おねーさん、まちがえちゃった!!てへ!」
「ふーん・・・」
「後でおねーさんがおにーさんをシメ上げとくから許してね」
「うんっ!」
「じゃあ、次こそはちゃんと見ようね
スイッチオン!!」


・・・・・深夜の倉庫
そこには男がふたりだけ・・・
「お前が真犯人だったとはな・・・」
「まさかお前に見つかるとは思わなかったよ・・・」
「昔のお前はそんなんじゃなかった・・・。もっと希望に燃えていたはずだ!!」
「時代は変わったのさ。街も、人も。」
「もう、話しても無駄なようだな・・・」
「ああ・・・。これからの時代に俺とお前の二人もいらない・・・」
「・・・きっちり落とし前つけてもらうぜ!!」
「来い!!」
・・銃を構える二人

バーン!!

「・・・なぜだ!!何故撃たなかった!!」
「・・・俺はあの時からもう戻れなくなってしまった・・・」
「・・どうしてこんなことに!!」
「・・なあ、覚えているか?・・・二人で本気で世の中を変えてやろうなんていきがっていたあの頃・・・」
「・・・・ああ。覚えているさ!!」
「ああ、あの時が俺の人生で一番幸せだった・・・俺とお前とあいつがいる・・・それだけで幸せだった・・・」
「・・・くそっ!!!」
「俺は人の道を踏み外しちまった・・。最初からこうなるのが決まっていたのかもしれない・・・」
「そんなことはない!!お前はもっといいやつだった!!」
「へへ。ありがとよ・・。・・・もう、何も見えなくなってきた・・・」
「しっかりしろ!!まだやり直せるさ!!」
「もう遅いさ・・・。なあ、最後に頼みがある・・。」
「・・・なんだ!」
「あいつに・・・あいつに俺は鳥になったと伝えてくれ・・・」
「ああ・・・必ず伝える!!」
「じゃあな、相棒・・・。
俺の人生は・・あいつが全てだっ・・・・・・」
「・・・!!!ちきしょー!!!!!」

そして倉庫にいつものように朝が来た。

事件は全て解決し、世間からもそろそろ忘れ去られようとしていた・・・

俺は言われたとおり伝言を伝えた。
彼女は全てを知っているかのような微笑で答えてくれた。
「あの人、いつも空を自由に飛びたいって言っていたから・・・」

俺は今でも朝日を見るとあの日の出来事を思い出す。
そしてあの頃、二人で夢に燃えていたあの頃を思い出し、
あの頃の気持ちに少しだけ返ることができるのだった・・。


「はーい!!良い子のみんなぁーどうだったかなー!?」
「・・・男ってのはバカな生き物さ・・・」
「うわっ!!子供達の顔つきが全員渋くなってるー!!」
「ねぇーちゃん、バーボンロックで・・・」
「もう、収集がつかない!!
じゃあ、今日はこの辺で!!ばいばーい!!」
「・・・俺の人生はいつからこんなのになってしまったんだろう・・・」
「しつこいわ!!てか、お前らまだ幼稚園児だろっ!!」


第四回放送 視聴率0%

はい、はあーい!!今日も始まりました!(胃に)やさしい日本語講座の時間だよー!!
ちびっ子のみんなーあつまれぇー!!」
「わぁーい♪」
「はぁーい!今日もお姉さんと一緒にお勉強しましょーねー!」
「はぁ〜い!」
「うわぁ〜ん!!」
「どうしたの?みっちゃん!?」
「のぶくんが頭ぶったぁ〜!!」
「なんでそんなことしたの!?のぶくん!?」
「だ、だって・・・みっちゃんが僕のことバカバカいうから・・・」
「・・・だからってぶっていいわけ?」
「・・・・みっちゃんごめんなさい・・・」
「あやまれば済むわけ!?」
「え!?」
「そーよ!!男はいつだって身勝手なのよ!!泣かされるのはいつだって女なんだから!!
あのひとだって・・・・健二さんだってそうやって私をすてぇたぁのよぉぉ!!!」
「おねーさんなんかおかしいよ・・・どうしたの!?」
「体操のお兄さん・・・健二お兄さんがおねーさんをボロ雑巾のようにすてたのよ!!」
「なんかよくわかんなーい!」
「ガキは知らなくていいんだよ!!帰ってクソして寝な!!」
「あー!!おねーさんお酒くさぁーい!!」
「飲まなきゃやってらんねーよ!!飲んでぇ〜♪飲んでぇ〜♪飲まれてぇ〜・・・飲んでぇ・・・・
うぅ・・・しくしく・・・・」
「おねーさん泣かないでぇー!!」
「がんばってぇー!!」
「いつものおねーさんに戻ってぇー!!」
「男はまだ星の数ほどいるよー!!」
「・・・・・・そうよ!!次があるわ!!私はまだ若いのよ!!」
「・・・・来年30だけどね・・・」
「おい!!今言ったのはどのガキだ!!」
「・・・・・」
「ま!いいわ(見つけて後でシメる・・・)。早速今日のお勉強のお題を発表しちゃうわねー!!」
「わーい!!」
「今日のお題は・・・”しみったれ” です!!」
「おねーさん、しみったれってなーに!?」
「はい!それではわからない良い子のためにしみったれたものを見せちゃいまーっす!」
「??おねーさんこの映像はなぁーに??」
「はい!これはトシ君ちの昨日の晩御飯でーっす!!」
「・・・・・」
「今日は特別にみんなに しみったれ を説明するビデオをみせちゃいますねー!」
「うわぁ〜い♪」
「それではドーゾ!!」

ここはとあるマンションの前・・・刑事が二人張り込んでいる・・
ノブ「ここが連続強盗犯、極悪 悪蔵のアジトですね」
タカ「そうだな、ノブ。だがいいか!出しゃばってあぶねー真似だけはすんじゃねーぞ!」
ノブ「わかってますよ!タカさん。俺はもう新米じゃないんですから!」
タカ「よし!その意気だ!・・・そろそろいくぞ!!」
ノブ「はい!!」

極悪「だれだてめーら!!!」
ノブ「しまった!みつかりました!!」
タカ「しかたない!!踏み込むぞ!!」

マンションのドアの前に張り付くふたり
タカ「準備はいいか、ノブ!」
ノブ「いつでもいいですよ!タカさん。ここは俺から踏み込みます!!」
タカ「だめだ!!お前にはまだ早すぎる!!」
ノブ「新米扱いしないでっていいましたよ!」
タカ「まてっ!!」

ドン!
踏み込むノブ刑事

しかし壁の影には極悪 悪蔵が!
・・・ニヤ
タカ「はっ!!あぶねー!!ノブ!!」

バーン!!

ノブ「・・・・・タカさんっ!!!」
タカ「・・・へへ・・ケガはねえか?・・」
ノブ「タカさん・・どうしてこんな・・・」
極悪「おー涙ぐましいねー!部下をかばって撃たれるとはねー」
ノブ「だまれっ!!動くと撃つぞ!!」
極悪「おっと、こっちはもう銃を落として降参だぜ」
ノブは銃口を極悪に突きつけたまま離さない
タカ「だから無茶はするなって言ったじゃねえか・・・」
ノブ「無茶するのはどっちですか!!」
タカ「へへ・・・お前はこんなデカになっちゃあダメだぜ・・・」
ノブ「・・・・っ!!!」
タカ「ノブ・・・俺はもうだめだ・・・」
ノブ「そ、そんな事言わないでくださいよ・・・」
タカ「そんなしみったれた顔すんじゃねえよ・・・デカの勘ってやつさ・・
そこでお前に最期の頼みがある・・・たばこをくれ・・」
ノブ「・・タカさん、禁煙したっていったじゃないですか・・」
タカ「やめたのさ・・・健康に悪いからね」
ノブ「・・・・・これでいいですか・・」
タカ「ありがとよ・・・タバコがこんなにうまかったとはなぁ・・・・
俺の人生も思えばわるかぁなかったなぁ・・まあまあってとこか・・・・」
ノブ「・・・・タカさんっ!!」
タカ「・・・」
ノブ「タカさーん!!」
ノブの視線が極悪から一瞬離れた隙に極悪は隠し持っていた銃をとりだす!!
極悪「バカが!!」

バーン!!・・・・

極悪「ぐ・・・こんなとこで俺は止まっちまうのか・・・」
わずかに早くノブの銃口から火花が散っていたのだ・・
ノブ「・・・お前には手錠より鉛玉をくれてやる・・・地獄までもっていけ」


こうして事件は解決し、月日は流れるように過ぎた。そして俺はタカさんと同じ歳になった。
階級はタカさんよりも上にいき、周りには俺はタカさんを超えたというやつもいるが
俺はそうは思わない。あのときのタカさんの勇気にはまだたどり着けない。
俺の目標には常にタカさんがいた。
そして俺はあのひとをめざしてこれからも走り続ける!!


「はぁーい、よい子のみんなーどうだったかなー!?」
「・・・犯人はお前だ!!」
「田舎のおっかさんがないてるぞ」
「カツ丼くうか??」
「タイーホなのだー」
「うわーガキどもが刑事ドラマモードになってるぅ〜!!
もうしらん!!また来週ー!」
「・・カツ丼まだ??」
「しつけーよ!!!」


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